【Study Diesel】 ④ ノッキングとデトネーション

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おはようございます。こんにちは。こんばんは。
グラシアです。


今般、国内でも徐々にシェアを伸ばしているクリーンディーゼル。新世代の内燃機関であるディーゼルエンジンを徹底的に解剖して行きます。第四回は「ノッキング」と「デトネーション」です。



※当ブログ内容はあくまで個人の主観に基づくものであることご了承ください。
ご理解頂ける方は続きをどうぞ( ´ ▽ ` )






ノッキングにはカーノックと呼ばれるMT車がエンジン回転数が極端に低い状態で走行したときなどに車体がガタガタと振動する現象(エンストするやつですね)と、今回のメインであるエンジンノックがあります。

ディーゼルエンジンは基本的にノッキングが起こりません。ガソリンエンジンのノッキングメカニズムと照らし合わせてその理由を説明していきたいと思います。




ガソリンエンジンのノッキング

ガソリンエンジンで起こるノッキングはスパークノックと呼びます。混合気を圧縮してスパークプラグによる火花点火を行うと、プラグを中心に火炎面燃焼し炎面が伝播することによって燃焼ガスが膨張します。スパークプラグから遠い場所にある未燃焼の混合気(エンドガスと言います)はピストンやシリンダーの壁面に押し付けられ、断熱圧縮によって高音・高圧になります。それが限界を越えるとエンドガスが一気に自己着火して衝撃波が発生します。これがいわゆるノッキングですね。
ノッキングによる衝撃波はその音と振動だけでなくエンジン部品の損傷にもつながるのでできるだけ防止したいところです。

スパークノックを防ぐ方法としては、着火しにくい燃料の使用(オクタン価の高いハイオクなど)や点火タイミングの遅角化、燃焼室形状の最適化などがあります。
現代のガソリンエンジン車ではノッキングセンサーがCPU制御しますからほとんどノッキングは起こらないと思いますが、燃焼状態が大きく変化する低回転でアクセルペダルを踏み込んだ時などに起こり得ます。
ガソリンエンジンで発生するノッキングは、スパークプラグで点火するタイミングではない意図しない燃焼が起こっていることを言うのです。従ってハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを入れると、着火性の違いからノッキングが起こってしまうと言うわけです。ハイオク仕様の車は性能向上のために圧縮比を高めたエンジンや過給機(ターボチャージャー等)を搭載した車なので高いオクタン価が必要なのです。走れないと言うわけではありませんが、エンジンを痛めてしまうので車両にあった燃料を使用しましょう。



ディーゼルエンジンのノッキングは?

ディーゼルエンジンはと言うと、ガソリンエンジンの視点から言ってしまえば常にノッキングしているようなものなのです。そもそもディーゼルエンジンにはスパークプラグがなく、燃焼室内の温度と圧力によって自己着火させると言う燃焼方式ですから、言ってしまえば全て「意図しない燃焼」が起こっているわけですね。しかしそれがディーゼルエンジンのメカニズムですので、別にことではありません。ただ、高圧縮や衝撃・振動に耐えうる丈夫なエンジン造りが必要になってきます。


ところで、ディーゼルエンジンには特有の「ディーゼルノック」と言うものが存在します。ディーゼルエンジンは空気を断熱圧縮し温度を上昇させ、噴射装置から燃料を噴射して自己着火させるメカニズムと上述しました。燃焼室内の温度上昇や燃料の微細化が不十分な場合に燃料が自己着火せず、未燃焼のまま燃焼室内に残留し過量の燃料が存在する状態になります。本来膨張行程時に拡散燃焼によって連続的に燃焼が起こるはずのディーゼルエンジンですが、燃焼室内の過量の燃料は一気に燃焼してしまいます。そのため過大な圧力変動が起こり振動やエンジンの損傷の原因となります。これがディーゼルノックと呼ばれるものです。
ディーゼルノックを防止する方法として、燃料の十分な微細化や吸気の十分な加熱、着火しやすい燃料を使用するなどが挙げられます。軽油の着火のしやすさの目安としてセタン価がありますが、セタン価が高いほど着火性がよくなります。オクタン価とセタン価は真逆の性質を示すものなのです。



デトネーションとは?

デトネーションとは Detonation、日本語で爆轟(ばくごう)といい、気体の急速な熱膨張の速度が音速を超え衝撃波を伴いながら燃焼する現象です。衝撃波の原因がスパークノックやディーゼルノックであることが多いため混同されやすいですが、その現象の速度はノッキングの200〜300m/sに比べ1000〜3500m/sとかなり大きいです。
通常の燃焼による火炎伝播をデフラグレーションと呼び、この火炎伝播速度が加速することでデトネーションが起こるのですが、火炎加速の要因は境界層の発達や各種波面の不安定性、管端から発生する圧力波の干渉など境界条件に依存しており、この現象の複雑性から現状でも未解明な部分が多く残っています。ディーゼルエンジンは圧縮着火による拡散燃焼ですので、火炎面の伝播はなく、従ってデトネーションは起こりません。



まとめ

如何でしたでしょうか。ガソリンエンジンのノッキングにしろ、ディーゼルノックにしろ、発生の原因の殆どは粗悪な燃料を使用することにあります。軽油はガソリンほど需要が大きくないため、ガソリンスタンドによって品質に差異が生じることがあるので注意が必要です。信頼の置けるスタンドでの給油をおすすめします。BMWクリーンディーゼルの説明書には、品質の良い昭和シェル石油の軽油を推奨しますという記述が確認できます。かつてセタン価の高いプレミアム軽油を販売していたのが昭和シェル石油でしたが何か関係があるのかもしれませんね。




それでは今回はこの辺りでお暇しますね。
ありがとうございました。
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