【土と水を制する者は、農業を制する】②灌水の目的

三相分布例
題名の通り農業を制するため、日々精進の記録。
今回は三相分布を農業の視点から考えます。



■ 望ましい三相分布とは?


根の生育に望ましい三相分布は、固相、つまり土壌の性質により異なるので一概には言えません。また、播種や育苗、定植から収穫前など各ステージでも理想の三相分布は刻々と変わりますので、断定するのは困難と言えます。
土壌性質をある程度考えず大まかに言えば、
固相:液相:気相 = 40:30:30
が望ましいとされてはいます。

大切なのは、三相分布の割合ではなく液相つまり水分を如何に土壌でコントロールできるかにかかっています。土壌の性質を知り、液相の変化具合を把握することが理想的な農業を実現の第一歩となります。


■ 液相割合を変化させる=灌水の難しさと目的


播種にしても、定植にしても、一番ネックになってくるのは雨が降らず完全に土壌が乾燥してしまっている時にどう作業を行なっていくということです。乾燥しきっている土壌に均一に人為的に水分を与えるのは至難の技です。
一般的というか、私の地域で良く見られるのは、畝を立て定植した後、スプリンクラーや多孔ホースを利用した事後灌水をする方法です。現状、このやり方が一番普及していると思われます。ですがこの方法は様々なリスクを包摂しており、特に乾燥している場合は注意が必要です。
翻って播種時は、セル苗の方が灌水頻度が多く大変ですが、地床苗の方が原理を理解しなければ失敗する可能性があります。土と水の関係性を正しく理解できていれば、地床苗の方がコスト的にも労働力的にも軍配が上がりますが、現状殆どのキャベツ農家がセル苗を使用している状況です。

話が脱線してしまいましたが、各灌水作業(=土壌に液相を作る)についてその主旨を見ていきたいと思います。播種時も定植時も直後に灌水しますが、その目的は全く違います。

播種時直後の灌水は、水を十分土壌に含ませ種子の発芽を促すためのものです。
定植時直後の灌水は、畝の表面に硬質層を作り土中水分を閉じ込め、更に除草効果を期待するものです。

播種直後はさておき定植直後の灌水の目的が何でそうなのかわからないというのが農業を始めたころの私も同じ思いでした(ちなみに播種後の灌水も次第に表面に硬質層を形成して行き土中水分を閉じ込めます)。しかしながらこのメカニズムを理解できれば、コストだけでなく追肥や収穫までの作業性を向上させるだけでなく、歩留まりを良くし病害に強い作物を作ることができるのです。


今回はここまで。
ありがとうございました。

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