【土と水を制する者は、農業を制する】⑤土壌水分に大きく関係する毛細管現象とは?

毛細管現象

題名の通り農業を制するため、日々精進の記録。
今回は土と水の関係に深く関わる「毛細管現象」について考えます。

■ 毛管現象とは

毛細管現象とは、細い管状物体の内側の液体が管の中を上昇する物理現象のことで、毛管現象とも呼ばれます。

毛細管現象のメカニズムを簡単に説明します。
1:液体の表面は、表面張力によって縮まろうとする方向に力が加わります。
2:壁面付近の傾いた液面が縮まろうとすることによって結果的に水面を持ち上げる形になります。
表面張力によって液面は縮まろうとする方向に力が加わっている。
3:これらの力と液体の重さが釣り合うまで液面は上昇します。液面の重さは

  密度 × 体積 すなわち 管断面積 × 高さ  

  で求めることができますが、管が細ければ細いほど管断面積は小さくなり、液面の上昇する高さは
  大きくなります。

つまり、管の断面積が大きければ水は上がってこず、小さければ小さいほど上がってくるということになるのです。
ちなみに図の液面の屈曲はメニスカスと呼ばれる現象で、水の「濡れ」の強さ、すなわち付着力が壁面に対して大きいときに起こります。


● 表面張力って?

表面張力という言葉が出てきましたが、これは比較的身近で聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。これは、液体や個体が、できるだけ表面を小さくしようとする性質のことで、難しい説明は割愛しますが、分子と分子の間には、分子間力と呼ばれる引力が作用しており、水面では水分子がより不安定な状態なため、表面をできるだけ小さくしようとする傾向が現れるのです。


■ 毛細管現象を土壌水分で考える

例えばロータリーで起こしたばかりの土壌はフワフワしており、非常に気相が多い状態になっていることがわかります。さらに孔隙一つ一つが大きく、最初の図で言えば右の様に断面積が大きくなっていると考えられます。
反対に踏み固められた土壌では、気相の割合がかなり小さく、孔隙の断面積もかなり小さくなっていると推測できます。
つまり、
耕起された土壌は水分を多量に保つ上に、毛細管現象が働きにくいので乾燥が遅く、
踏圧を受けた土壌は毛細管現象が働き乾燥が早く進む
ということが導き出せるのです。

この特性を理解することで、自らの地域に合わせた作付け前の本圃の土づくりが見えてきます。


今回はここまで。
ありがとうございました。



【土と水を制する者は、農業を制する】⑤土壌水分に大きく関係する毛細管現象とは?


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