低温時の灌水について

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今年のように雨が降らず、土壌が乾燥している状態かつ気温が低いと、植物の成長は著しく鈍化します。成長の遅れが顕著になってきた年末にキャベツの値段が高騰したのも記憶に新しいところです。。



当ブログにおいては、全ての記事において基準は愛知県でつくるキャベツ・たまねぎの栽培技術・経験に基づく物ですので、全てが全ての方に当てはまるわけではないと言うことを前もってご承知の上お読み頂けると幸いです。それでも、大部分は同じことが言えますので、ご自分のつくる作物の栽培と照らし合わせて柔軟に咀嚼して頂く様お願い申し上げます。


三週間以上雨が降らないとなると、原則定植後灌水をしない私のところでもある程度の灌水作業が必要になってきます。
今回はやっと手がけた灌水作業のポイントとなる部分をいくつか紹介していきたいと思います。


■ 灌水の最適なタイミング

乾燥しきった圃場の作物に灌水をする場合は、原則的に午前中から正午あたりまでの灌水にとどめることをお勧めします。これは灌水の方法にもよりますが、基本的にスプリンクラーや多孔ホース、レインガンなど「かける水」としての灌水を行う方が多いのではないでしょうか。この場合、植物が水を吸い上げるのは根からですが、そこに行き着くまでに植物体にかなりの水がかかることになります。水をかけてるんですから、それは当たり前のことですよね。
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▲設置と撤収が容易なレインガン。何気にイタリア製。

しかし、ということは、気温の低い寒い日にもかかわらず作物は外で水浴びをさせられているということにもなると思いませんでしょうか。とんだ拷問だとも言いたくなりますが(ならない)、つまり灌水によって植物体の温度が下げられるという現象がそこで起こっているわけなのです。当然植物体の温度が下がれば、成長は更に滞ってしまいます。
以上のことを踏まえると、なぜ午前中から正午くらいの灌水が望ましいのかが分かってきます。日中は日光によって気温が上昇するのとともに植物の気温、及び地温も上昇します。そして午後1時ごろをピークに気温は下がっていきます。もし午後から、または一日中灌水するとどうなるでしょうか。
まず、午後から灌水した場合です。午前中の日光によって植物体の温度もある程度上がっていますが、灌水によって一気に冷やされます。午後1時〜午後4時くらいまでの灌水をしたとすると、寒い季節は5時に差し掛かる頃には日も暮れ気温が急激に低下していきます。植物は灌水により水分を得ることができましたが、その灌水によって体温を下げられた上に日没によって灌水後一度も温度の上昇を得ることなく1日を終えてしまうのです。作物の成長には水分と温度、両方が必要なのです。
一日中灌水した場合も同様です。このパターンは日中常に水を受け体温・地温が上がるタイミングがありません。作物の動く余地を与えるために全日の灌水は避けた方が無難です。


■ 灌水時間について

灌水時間は圃場にもよりますがレインガンで大体2〜3時間程度です。注意すべきなのは、午前中から正午までと区切っていくつも圃場に灌水をし、結果的に灌水時間が極端に短くなってしまわないようにすることです。1時間程度の灌水では、かける水によって植物体を冷やすにも関わらず太陽光によって水分が蒸発していってしまい、水をかけて成長にプラスを与えているはずの作業がむしろマイナスになるまであるのです。
灌水をし、作物に"効かせる"ためにはある程度の時間が必要なのです。ですから、灌水の開始が遅れてしまった場合は、昼を跨いで続けるのも一つの手というわけなのです。


■"かける水"と"ながす水"

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▲畝間灌水には複数のホース、分岐バルブ、そして移動の手間がかかるが効果はテキメンだ

翻って、今度はながす水について考えて見ましょう。つまり、畝間灌水(畝の谷の部分に水を通していく)のことです。この方法にはホースの他に吐出量を制御できる分岐バルブなどの器具が必要になります。ながす水の最大の利点は上から水を書けないので植物体の温度を下げずに済むということです。理論的には夜間の灌水も可能です。しかしひとつ疑問に思いませんか?畝と畝の間に水を流したところで作物に十分に水を与えられるのか?という疑問が。

そこでこちらの写真を見てください。
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▲畝間灌水をちょっとやりすぎたら物凄い量の細根が!

この白い細い根はキャベツの根っこです。畝に植わりながらもその細根は畝間までしっかりと伸びてきているのです。これだけあれば畝間への灌水で確実に給水できそうですね。時間に余裕がある時はこのながす水を実践してみるのも良いかもしれません。

畝間にこれだけ根っこが来ていると考えると、追肥も畝に寄せようとせず畝間にしっかり落としていくだけで十分に効きそうな気がしますね。


今回はここまで。
ありがとうございました。







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