肥料設計を考える(概略編)

肥料設計



Twitterにてご質問を受けたのをきっかけに、私のところの肥料設計を表にしてみました。

今回は概説になりますが、一覧を元に農林水産省が出している「主要作物の施肥基準」という資料との比較もしながら見ていきましょう。





※当ブログでは、全ての記事において愛知県でつくるキャベツ・たまねぎの栽培技術・経験に基づく物ですので、全てが全ての方に当てはまるわけではないと言うことを事前にご承知ください。ご自分のつくる作物の栽培と照らし合わせご拝読頂く様お願い申し上げます。



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▲農林水産省「主要作物の施肥基準」より




■ 堆きゅう肥・緑肥


 家畜の糞尿と家畜舎の敷き藁などを混合し堆積腐熟したものを総じて堆きゅう肥と呼びます。堆きゅう肥、また緑肥について私の圃場では年間を通して全く使わない、というのが1つの特徴なのではないでしょうか。なぜ堆きゅう肥や緑肥といった有機質のものを使わないのかについては説明すると長くなるのでここでは割愛させていただきますが、農水省の決める施肥基準では2000kg/10aとなっていることにどのような意味があるのか、考えてみると楽しいですね。



■ 苦土石灰


 苦土石灰については、JA供給の炭酸苦土石灰(マグカル)を使います。使用量に関しては農水省基準の120kg/10aに比して100kg/10aと若干少なめです。また、粉剤を選択してコストを抑えている一方で、「粉」は取り扱いがやや難しくこれまた工夫が必要な資材でもあります。



■ リン酸質肥料


 農水省の基準では「熔燐(ようりん)」となっていますが、うちではようりんではなく苦土重焼燐を使っていますので微妙に違います。ですが似たようなカテゴリと捉えて比較すると、施肥量に置いて農水省のそれは60kg/10a、うちは20kg/10aと3倍も開きがあります。



■ 基肥(元肥)


 定植時に基本として使用するのはJA供給の「ゆたかの友」。N-P-Kは14-6-14という谷型の肥料で、BBタイプとなっています。農水省の基準ではNPKがそれぞれ15kg/10aとなっていますから、リン酸質肥料の分を勘案してもNPK全体的に少なめ、特にリン(P)に関してはうちはかなり少なくなっています。



■ 追肥


 うちでは追肥を2回行います。農水省の基準では1回の基準なのか、2回でも当該基準に合わせて施肥すべきなのかわよくわかりませんがどうなのでしょうか。我が家では追肥用の肥料は2種類あり、多木V化成とCCパワーを状況に応じて使い分けています。元肥での不足分(?)追肥の成分も合わせて考えると、表にあるように農水省のNPK基準値と大体似たような数値になりましたね。と言っても堆きゅう肥2000kgの有無はありますが。。




 いかがでしたでしょうか。農家はそれぞれが様々な考えのもと肥料の選択を行い、設計しています。うちの考え方は、「如何に安く、簡単に、そして限りなく高品質高収量の作物を作ることができるかどうか」これを念頭に肥料設計をしています。何を当たり前のことをと思うかもしれませんが、意外と高品質高収量の作物を作るために高価な肥料を使ったり、作業的に負荷のかかる方法をとってしまう方は一定数いらっしゃいます。さらにそういったしなくても済む努力や投入する必要のない肥料、使う必要のない労働力を”美徳”としてさもそれらによって高精度な作物ができると謳う方も残円ですが中にはおられます。



 適切な肥料設計で、作り手の負担にもならなく作物の精度を高められるのならそれ以上のことはありません。農業も産業です。経済活動には効率化を常に追求していかなければなりません。そんな中で、農林水産省の出す「主要作物の施肥基準」、これは結構昔の資料ではありますが、本当に効率的、そして合理的に作成されたものなのか些か気になるところでもあります。



ちなみに前提なんですが、うちは上記の肥料設計で毎年3.4万ケースのキャベツを出荷し、歩留まりで言えば6・8玉(最も高く売れる規格)比率が全体の80%を超えていますので、それなりに説得力があるのではないかと思っています。もちろん、肥料設計だけでなく他にも様々な工夫が凝らされていることで実現できていることをここに言添えておきます。



 最後までお読み頂きありがとうございます。今回は全体の肥料計画になりましたが各肥料の詳細については記事を別にしたいと思います。肥料設計についてご意見やご質問等お待ちしています。うちではこんなの使っているよ、とかそんなのよりもっと良い肥料がある!などどんな意見でも構いません。



それでは今回はここまで。

ありがとうございました。

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