玉ねぎ新興産地の盛者必衰

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おはようございます。こんにちは。こんばんは。グラシアです。

私はキャベツと玉ねぎを作る農家ですが、近年東北をはじめとした日本各地で新たな生産品目として玉ねぎを導入する動きが散見されます。

しかしながら新興産地としての隆盛も束の間、あっという間に衰退する事例も少なくありません。今回は何故たまねぎの新興産地が上手くいかないのか、考察してみようと思います。



※当ブログ内容はあくまで個人の主観に基づくものであることご了承ください。
ご理解頂ける方は続きをどうぞ( ´ ▽ ` )




盛者必衰


一般に、たまねぎを新たに作ろうという事の発端は米の価格が安く水田ではお金にならないので何かに転作しよう、というものです。

水田を埋め畑にして耕し、そこでたまねぎを作るとそれはもうめちゃくちゃに豊作になるそうです。

農家はたまねぎを契約出荷して大きくお金をかせぎます。契約出荷とは、物産系の会社等と農家が契約を結び、このトン数だけ出しますよ、だからこの値段で買ってくださいね、というものです。

初年度、2年目くらいまでは沢山たまねぎが収穫でき、契約重量を優に超えるほど豊作になります。農家はこれはすごい!これからはたまねぎの時代だ!と思います。

しかし3年目になってくると急激に収穫量が減少します。それまでは全然生えてこなかった雑草も生い茂り、連作障害も相まってかなり獲れ高が減ってしまったのです。

契約重量に届かないと、取り決めた価格で売れなくなり、より安い価格で売らざるを得なくなってしまいます。しかし、3年目以降どんどんと収穫量は減少していき、ある年を期にたまねぎの「新興産地」は終わりを告げるというわけです。

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さて、なぜ3年目以降収穫量が減り、新興産地としてのたまねぎは成功しなかったのでしょうか。
それは、田んぼを畑にして作る、という行程に着眼すると見えてきます。

水田は米の栽培に際して水をはります。常に水に浸かった土壌では、通常の畑で生える雑草は育つことができません。育つことができないということは、雑草の種子がそこには存在しません。

当然ながら最初の数年は雑草の生えてこないので作物がよく育ちます。作物に害を及ぼす菌類もいないのでたくさん収穫ることができます。

しかし、田んぼを埋めて畑にした時点からさまざまな経路を経て雑草の種子や菌類が進入してきます。特に雑草は驚異的な繁殖能力を持っていますから、それまで畑の整備管理の経験がない人が急激な雑草の増加に対応できるはずもありません。加えて病気をもたらす菌も連作することによってますます増えて収量はみるみる減っていきます。

かくしてたまねぎによる新興産地は早々に衰退していくのです。
同じ作物を同じように作るだけでも難しい、それが農業というものです。もちろん中にはこういった原因を究明して収量を安定させる努力をして新興産地として軌道に乗せてきているところもありますが、つくづく農業は簡単ではなく、決して考えなしにはできない職業だと日々痛感しています。

それでは今回はこの辺りでお暇しますね。
ありがとうございました。



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